東京都文京区、ビル群に囲まれた中にひっそりと佇む「小石川後楽園」。
水戸徳川家ゆかりのこの大名庭園では、四月の訪れとともに藤の花が美しい季節を迎えます。
園内には六基の藤棚があり、繊細な一重のフジから、華やかな八重のフジまで、個性豊かな花々が空を紫に染め上げています。
歴史ある名勝で、水辺の静寂と花の香りに包まれる、贅沢な春のひとときをお届けします。
目次
小石川後楽園|揺れる藤棚と江戸の情景(YouTube動画)
風にそよぐ紫のカーテンのような藤の花房と、水面を渡る柔らかな春の風。
大泉水や内庭の静かな佇まい、そして珍しい八重藤の重厚な美しさ。
都会の喧騒を離れ、江戸の雅が今も息づく庭園の風景をミニマルな映像に収めました。
藤の香りと歴史が調和する庭園の見どころ
一重と八重、二つの藤が織りなす紫の天蓋
小石川後楽園の魅力は、種類の異なる藤を同時に楽しめる点にあります。
スラリと伸びた房が美しい一般的な一重のフジに対し、八重のフジは一つ一つの花びらが重なり合い、まるで小さなバラが集まったようなボリューム感があります。
藤棚の下から見上げる紫のグラデーションは、この時期だけの特別な空の色です。
水辺を彩る名勝の風景「大泉水」と「内庭」
藤棚を巡った後は、広大な「大泉水」や「内庭」の散策がおすすめです。
琵琶湖を模したという大泉水の周りでは、カモたちがのんびりと泳ぎ、水辺の木々が新緑を輝かせています。
睡蓮の葉が広がる内庭の静寂や、大堰川の清らかなせせらぎは、訪れる人の心を静かに整えてくれます。
春から初夏へ。移ろう季節の記憶を刻む
文京区のビルを借景にしながらも、一歩足を踏み入れればそこは別世界。
藤の花が散り始めると、庭園はいっそう深い緑へと姿を変え、初夏の準備を始めます。
歴史ある石組や池の配置に思いを馳せながら、ゆっくりと時間を忘れて歩いてみてはいかがでしょうか。

